トウトライン ヒッチ (TAUT - LINE HITCH) 前編




  この結びの名前を聞いたことがありますか?
 
 あるいは「自在結び」「張り綱結び」の名前で

 載っている本もあります。




  日本においてこの名前の結びを使用するのは、

 以前(昭和時代)はボーイスカウトに参加している、

 人たちでした。
 
 同時代、他のロープワークの書籍(海事関係・山岳関係)

 にはこの名前は登場しません。

 唯一ボーイスカウトの界の「結び」でした。

 この「結び」は、ボーイスカウトの2級スカウト

(小学6年生ぐらい)になるときに ロープワークのテストの中に

 「トウトラインヒッチが結べ、その使用方法を知っていること」

 と出てきます。

 そしてボーイスカウトの本に載っているこの結びは

 簡単なイラストのみで結び方などの説明はありませんでした。



 そして先輩から習ったのは

「テントの自在(ランナー)が壊れたり

 無かった時に使う結び」と習ってきました。

 昭和49年にボーイスカウト日本連盟は、

 ロープワークの小冊子「ロープむすび」 を出版します

(ROPEの部屋 和書の書庫の蔵書NOです↑
                クリックしてください以下同様)

 著者はボーイスカウトの先達 関 忠志 氏
 
 その時の名前は「張りづなむすび」となり判りつらい写真で

 掲載されています。



 しかし同氏はそれ以前、昭和34年に

 「キャンピング読本」実業之日本社刊のなかに

 トウトラインヒッチを紹介し

 一般誌としては初めて掲載されています。

 紐の線が1本で表示されていて細くて

 判りづらい絵となっています。


 名前も「ふたえ巻き結び」



 その後同氏は、昭和46年に

 「楽しいキャンピング」誠文堂新光社刊により

 判り易く作画されて掲載されています。

 しかし問題なのは

 同氏のイラストには「トウトラインヒッチ」と

「ひと結び」が対になって掲載されています。



 昭和50年に 西田 徹 氏が指導の

「紐の本」 では


「ひと結び」は入ってないのですが掲載。

 しかしイラストには間違いがあります。
 
 2のコマです
 



 そして昭和53年に出た

「紐の本 パートU」 では
 
 「ひと結び」が入っているものの 結び方不明確なイラスト


 2段目と3段目の違いは ??



  同氏の平成2年の監修の

「ロープ紐の本」 には
「ひと結び」が入ってきていますが、

 判りづらいイラストとなっています。 

 ・・・このイラストどこかで見たことのある

 ・・・・写真のコピーイラストみたいです。



  
 昭和52年 佐野 豪氏の「ロープワーク入門」 には
 
 「ひと結び」入りで掲載 
 
 「楽しいキャンピング」のイラストに酷似。


 昭和58年には甲府の渡辺氏が、自費出版の本

 「なわ結び」 の中で
 
 「ロープワーク手帳」のコピーを掲載。

 あと1コマ足りません。


 平成時代になるとアウトドアブームで

 トウトラインヒッチがあちこちの書籍に出てきます。


 ここで2つの疑問。

 なぜ スカウト関係でこの結びが使われていたのか。

 本当の結びは何か 
  
          以下 後編へつづく


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