私の組み方@ー私の薪組ー




  キャンプの夜の楽しい思い出のキャンプファイヤー

  そのメインになる薪の組み方は皆さん色々悩んでいる

  みたいです。 

  宿泊研修施設で習った。 大学の先輩から習った。

  いや自分の考えで組んだ・・ など色々あると思います。

  日本でのキャンプの普及は、戦後レクリエーション活動が

  活発になり、青年の家・少年自然の家の設置に伴って

  夜のプログラムの1つとして普及?してきました。




  
  ここで紹介するのは私が1973年アメリカのシカゴ地区の

 ボーイスカウトのキャンプ場に指導員として入ったときに

  習った薪の組み方です。

  このキャンプ場の開設は、1909年

  100年以上の歴史を持っています。

  この組み方はいわゆる『ボンファイヤー』では無く
  『カウンシルファイヤー』と呼ばれるタイプです。

  特徴としては上部から点火して、途中でも薪の追加はしません。

   ですからファイヤーキーパーなるものは存在しません。

    儀式の時必要な明るさがあれば良いのです。





  日本に帰ってきてからもあちこちでキャンプファイヤーを

  行なってきました。 

  営火長 は団体の引率者の長。エールマスターは私。

  ファイヤーキーパー・・そんなに人は余ってませんし、

  経験者も少ない。

  そんな時この組み方はとても助かりました。

  一度点けたら、ほとんど火を扱わなくて最後まできれいに

  燃えてしまう組み方です。
  この写真はボースカウト福岡県連の『脇山野営場』で93年4月

   に行なった「薪組講習会」の時の写真です。

   左のトーテムは私が真似て同野営場に造ったものです。





  用意したのは杉の丸太 15本です。

  今宿野外活動センターで販売しているもので

  よく乾いているので、いつもここの薪を購入するように

  しています。







  そして中に詰める薪、地方によって呼び名が

  違うみたいですが今回は「薪」で。

  今回は6束用意しています。





  ファイヤープレイスで丸太を組んでいる間、

  余った人がいたら薪をある程度細かく割っていて

  もらいます。

 


 
  一番下に2本 そしてその上に3本

  他の団体の燃え残しなどの薪が有ったらここで使って

  全部燃やしてしまいます。

  その時は3本5本になったりします。

  でも外側はやはり燃えていないものが良いと思います。

 この時に巻き組の向きを考えて置きます。

  条件としては 営火長の位地。 入場門の位地。

  風の吹いてくる方向などを考えて。




  そしてその上に5本。 そして又5本 

  この辺りから皆さんの組み方と異なってきます。

 良く丸太が転がらないように鉈で削ったり、

  針金を巻いたりを見かけますが、小石を1個。

  楔代わりに置くと転がりは止まります。




  そして2本

  この2本で終わりです。

  会場で用意できる薪の種類によって異なります。

  高さもこの位(チョット高いかな)

  座って見て向こうにいる人の顔が見えるくらいと

  考えます。





  丸太を組んでいる間にこの位に薪を割って

  いただきました。

  あるいはこの位の薪を割ってから次の行程に入ります。











  

  割りと大きく割られた薪を中央部に組んで行きます。

  ここを詰めて並べると後で火種が下に落ちなくなるので

  4本から8本ぐらいを3段から6段










  目安としては、最後に置いた2本の丸太と

  同じ高さになるくらいです。






  先ほど細かく割った物。 

 それをもっと細かく削っていきます。




  これ位、細かく割ります。

  その為には良く切れる鉈やナイフが必要になります。






  そしてその細かく細かく削ったものを巻きぐみの

  中央部に円錐形に優しく支えあうように組んで行きます。

  マッチ1本でも直ぐ燃え上がる状況です。

 


 
  次はその小さな円錐状の薪というより「焚付け」状態の

  周囲に割り箸くらいに割った物を、又支えあうように

  立て掛けていきます。



 
  今度は「菜箸」ぐらいの細さの薪を丁寧に。

  そして美的に立て掛けていきます。

  その時、点火口には置かないようにしてください。






  ここからが「ミソ」です。

  余った?菜箸サイズの薪を丸太組の間に差し込んでいきます。
 
  この作業には経験必要です。

 詰め込みすぎると空気が入らないのと上から火種のオキが

  落ちて来ません。

  逆に少ないと丸太に着火しません。

  この作業が従来の薪組みに無かった気がします。








  大体出来上がりました。

  ファイヤープレイスの周囲に散らかっている木屑を拾い、

  清掃します。






  掃除をしている時に、トウチを何処から入れるか、

  火をつける係りになっている人と打ち合わせなどをします。

 点火口を見ているところです。

  点火に使ったトウチはそのまま置いて燃やしてしまいます。 

  火が点いているトウチがそのまま在ったり、退場すると

  参加者の目はそちらに行くからです。






  今回の「火」は木と木を擦り合わせて起こします。

  (紐錐式)です




  詳しくは

「火おこしを考える」 「クラフト火起こし」

  を参考にしてください。




  中央部に点火しました。

  ストロボか明るいので見えにくいのですが・・・

  オレンジ色の炎が見えますか?

 


 
 中央部の「焚付け」に点いた火がだんだん大きな炎に

 なって燃え上がっていきます。




 
  上部に組んでいた薪全体が燃え上がりました。

  そしてその燃えさしが下へ、ポトポト落ちていきます。







  その落ちてきた、燃えさしが丸太の周囲に

  詰め込んでいた細く割った薪に燃え移ります。

  もう3段目まで燃え出しました。

 


 
  こうやって火が上から下に燃え広がっていきます。

  ここまでで1時間15分ちょっと。

  炎の高さも低くなってファイヤーも

  終盤に入っているころです。

  ここで明かりがほしい時には

  この薪組みの上にパラツト割っておいてた薪を撒くと

  ほんの数分もとの高さの炎と明るさが取り戻せます。

  あるいは薪組みを中央に集めて明かりを取ってエンディングへと。



 
  1973年この薪組みを習ってからは

  この組み方を続けています。

  ファイヤーキーパーを置かず。 

  灯油などの燃焼補助材を用いず 

 「火」いじくらない。加工しない。

  「火」が自分から燃え広がり熾きへと変貌していく

  キャンプの夜をあなたもしてみませんか。






私の組み方Aー私の薪組ー





  2010年9月 今宿野外活動センター 

  専門学校のキャンプ実習です。

  まず2本

  風の向き 入場の方向。 全体の眺め。 営火長の席。

  等を考えて、 並べる向きを考えて置きます。




  
  2本の上に2本または3本丸太を置きます。

 今回内側の2本は、他の団体の燃え残りを使用しています。

  これは、燃え残った丸太には商品価値が無く燃えるゴミ

  でしか在りません、

  まだ燃えることの出来る丸太は、最後まで燃やしてあげたい

  と考えています。




  その上に、6本 その又上に4本燃え残りの丸太を交え

  て置いています。 

  格子組みには炊飯用の薪を使います。

  一番外側に太目の薪を中は細めの薪を並べていきます。

  この格子の目が大きすぎると、火種が早く下の段に落ちるので、

  なかなか丸太に「火」が燃え移りにくく失敗しやすいです。

  又、詰めすぎると下からの空気が上がって来ず、

 燻る原因になります。



  丸太がゴロゴロするときは小石を拾って

 楔(クサビ)代わりに置きます。 

  本や参考書に「鉈で凹みを削りだす」とか書いてありますが、

  労力や時間の問題で「小石」で十分止まります。

  カスガイなどを打っているところも在りますが・・・

  熾き火の中にカスガイが光輝いているのを見るのは興ざめです。


 
  格子組みが終わったら、余った薪を、薪組みの周りに放射上に

  並べています。

 これは後で追加の薪を足す時に、円陣の外から運び込むのではなく

 ファイヤーの周囲の薪を拾って入れた方が早いのと、

 乾燥し暖まっていますから燃え出すのが速いです。

  それと、出し物の途中で不用意に火に近づかない為の

 目安にもなります。



 ティーピーを中心部から作っていきます。

 割り箸より細く削って下部に差込ながら組んでいきます。




 


 ほぼ出来上がりです。

 ティーピーの横に在るのは,点火用の小さなトーチです。

 点火後トーチも一緒に燃やしてしまいます。

 点火したトーチが退場すると、子ども達はその後のトーチの行方

 に興味が湧き,そちらに意識が行きます。

 トーチに用いた少量の液体燃料もその力を活用して、

 一緒に燃やすようにしています。






  暗くなってきました。
 








  今回の点火係りは、


 誕生日が今日に一番近かった彼女に決まりました。


 火種はキャンプ場で探して見つけた火打石(石英)で

  起こした「火」です。






 小さく中に点き・・・・・ま・・し・た。












  
 その火がだんだん大きくなっていきます。








 ここまで燃え上がると周囲の人の顔が見えてきます。









 ティーピー全体に火が周りました。







 火種がだんだん丸太の方へ落ちて、

 丸太が燃え上がってきました。









  3段目も燃え始めました。
 






 
  こうゆう状態で明かりがもうチョットほしい時。


 薪組みの周囲に置いている薪を4〜7本ぐらい

 ぱらっと撒くと、

 瞬間に火が燃え上がり

 数分間明かりをえることが出来ます。





 
 
 2時間後ここまできれいに燃えています。







 この熾きで 「マシュマロ」を焼いたり

 明日の朝食のポトフの下煮をしたり。

 キャンプフアイヤーの後の楽しみが待っています。







私の組み方Cー英彦山青年の家 キャンプファイヤー講習ー



  青年の家の利用者に対してキャンプファイヤーの

  講座の依頼が来た。
 
  青年の家に行って、講座が始まっていよいよ組み方の講習・・・

  !?!?! えっ 何この薪の太さと湿り気具合。 

 もうカビ出している。



  
  私の組み方のセオリー通りに・・・・

  3本 4本 2本 この太い薪。湿ってて・・






  やっぱり湿っている・・・・・・





  2段目の上に十分組んで・・・。

  今回はちょっと高めに・・・


  これ位上部にはみ出しました。

  



  火口になる細かく削ったものを置いて

 


 
  細く・長く裂いたものを静かに立て掛けていって

  ティーピーを作ります




  いい感じでティーピーが出来ました。




  そして、あまった細い薪を間に差し込んでいきます。

  トーチの造り方をしていよいよ点火。よく燃えます。







  チョット時間は掛かりましたが、

  どうにか燃え終わりました。

  こんなに大きな薪でしたが良く燃えたと思います。





 

◆キャンプファイヤーを考えるへ◆



Copyright © asobiken.net All Rights Reserved.